PHOTOIMMUNOTHERAPY

光免疫療法

光免疫療法

光に反応する薬を投与し、薬ががんに十分集まったところでがんに対してレーザー光をあてます。
その結果がん細胞を破壊し、その後全身に転移したがん細胞を免疫細胞によって駆除させるという、2つの作用を持った新しいがん治療法です。
手術、抗がん剤、放射線、免疫チェックポイント阻害薬に次ぐ第5の治療法と言われています。

アブスコパル効果※1 で
遠隔転移にも効果を波及

外部照射

CTC(CSC))※2 除去で
新たな転移や再発を抑制

血中照射

※1 がん細胞から細胞外に放出されるがん細胞の目印(抗原)を免疫細胞が認識し、離れた場所にあるがんにも治療効果が得られること

※2 血中循環がん細胞、血中循環がん幹細胞(血液中に遊離して流れている細胞)

がん光免疫療法の流れ

1 光に反応する薬剤を点滴より30分間投与します。

*光感受性物質としてリポソーム化したインドシアニングリーン(ICG)を使用しています。
ICGは副作用の少ない生体蛍光物質として知られ、広く一般検査用薬として臨床に用いられています。

2 5時間~24時間後に経静脈的に近赤外線領域のレーザー光を 1時間かけてがん細胞に照射します。

(1日もしくは2日間コースでご相談可能です。)

光感受性物質が点滴によって
元の周りに集積

特定の光(低レベルレーザー)
を照射

がん光免疫療法 特定の光(低レベルレーザー)を照射

光感受性物質が活性酸素を
発生してがんを殺す

免疫細胞が抗原を認識して
転移巣等にも効果

仕組み

薬を投与すると徐々にがん細胞に集まっていき、薬がたくさんくっつきます。
そこにレーザー光をあてると薬が反応し、がん細胞は破裂し死滅します。
一方で薬がほとんどくっつかない正常細胞はレーザー光を当ててもダメージを受けません。

適応

ステージやがん種は問いませんが、腫瘍組織が表皮より比較的浅い場所にあるがんのみ適応となります。
当院では画像などを参考に治療の可不可を判断します。

副作用

副作用も少なく通常のがん治療に比べて侵襲性の少ない治療法です。
稀にアレルギー反応や点滴物質への免疫反応として悪心、嘔吐、発熱などを起こす可能性があります。

費用

光免疫療法 275,000

未承認医薬品等であることの明示、入手経路等の明示

当院で本治療において使用する感受性物質およびレーザー・超音波ディバイスは、医療機器等法上の承認を得ていないものです(「承認医薬品」の「承認外治療」を含む)。日本では、未承認医薬品等を医師の責任において使用することができます。これらは院内調剤として、適法に調剤しています。

国内の承認医薬品等の有無の明示

本治療に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
光線力学的療法(Photodynamic Therapy:PDT)として国内にて承認済の医薬品等として以下のものがあります。

(参考)
・ルフィマーナトリウム:早期肺がん、早期食道がん、胃がん、早期子宮頚がんに対して、1994年に保険承認されています。
・ラポルフィンナトリウム:早期肺癌、原発性悪性脳腫瘍、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対して、2003年に保険承認されています。
・セツキシマブサロタロカンナトリウム:切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対して、2020年に条件付早期承認されています。

諸外国における安全性等に係る情報の明示

Photodynamic therapy in cancer treatment – an update review

Ancély Ferreira dos Santos, Daria Raquel Queiroz de Almeida, Leticia Ferreira Terra, Maurício S. Baptista, Leticia Labriola/dos Santos et al. J Cancer Metastasis Treat 2019;5:25

Photodynamic therapy for cancer: role of natural products

Behzad Mansoori, Ali Mohammad, Mohammad Amin Doustvandi, Fatemeh Mohammadnejad, Farzin Kamari, Morten F. Gjerstorff, Behzad Baradaran, and Michael R. Hamblin  Photodiagnosis Photodyn Ther. 2019 June ; 26: 395–404. doi:10.1016/j.pdpdt.2019.04.033.

Photodynamic therapy of cancer : an update

Patrizia Agostinis, Kristian Berg, Keith A. Cengel, Thomas H. Foster, Albert W. Girotti,Sandra O. Gollnick, Stephen M. Hahn, Michael R. Hamblin, Asta Juzeniene, DavidKessel, Mladen Korbelik, Johan Moan, Pawel Mroz, Dominika Nowis, JacquesPiette, Brian C. Wilson, and Jakub Golab/ CA Cancer J Clin. 2011 ; 61(4): 250–281. doi:10.3322/caac.20114.

Photodynamic therapy and photothermal therapy for the treatment of peritoneal metastasis:a systematic revie

Amandine Pinto and Marc Pocard/ Pleura and Peritoneum 2018; 20180124

Clinical potential of photodynamic diagnosis and therapy of tracheobronchial malignancies in the visible and infrared spectral ranges

Garry Papayan, Sergey Goncharov, Nikita Kazakov, Andrey Strui, Andrey Akopov/ Translational Biophotonics. 2020;2:e201900019.

The potential of photodynamic therapy in current breast cancer treatment methodologies

Elzbieta ˙ Ostanska, David Aebisher, Dorota Bartusik-Aebisher/ Biomedicine & Pharmacotherapy Volume 137, May 2021, 111302

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